福岡探偵事務所への相談の中に浮気しているであろう配偶者のラインを見たいという相談やラインの復元をしてほしいという相談をうけることがあります。そういった手法を使い証拠を集めた場合の証拠能力はどうなのか?不正アクセス禁止法やプライバシー侵害にあたらないのか?そのあたりを考えていきたいと思います。依頼者様の中には感情的になっていて、とにかく早く真実を知りたいという方もいます。そういった方はスマホを盗み見してすぐに問い詰めてしまう場合があります。そうしてしまうと浮気しているはずなのに上手にはぐらかされて証拠は隠滅、浮気相手と口裏あわせて浮気は続け、証拠は集めにくくなる。踏んだり蹴ったりの状態になって一番大変になるのが浮気された側ということに陥ることにもなります。浮気の証拠を集めるのには慎重になることが必要です。
目次
■探偵さんラインは証拠になりますか?
・ラインは証拠になるのはなる
この「証拠」としての考え方ですが、「離婚原因としての証拠」なのか「不法行為に対する慰謝料請求の為の証拠」なのかを考えなければなりません。探偵がする浮気調査の証拠は離婚原因としての証拠と不貞行為に対する慰謝料請求の為の証拠として対応が出来るように証拠を集めていきます。ただ、ラインのみの場合は離婚原因の証拠としてはならない可能性が高く、不法行為としては慰謝料請求が認められる可能性はあります。ある事例ですが、夫Xと女性Aとの間で「大好き」や「バイアグラはいらないよ」などのメールのやりとりをしている事を、裁判所は「このようなメールは、性交渉の存在自体を直接推認するものではないものの、女性Aが夫Xに行為を抱いており、原告が知らないまま女性Aと夫Xが会っている事を示唆するばかりか、被告とAが身体的な接触を持っているような印象を与えるものであり、これを原告が読んだ場合、原告らの婚姻生活の平穏を害するようなものというべきである。」として、慰謝料の支払を命じたものがあります。
確かに、この事案は慰謝料の支払が命じられ「勝った」という部類には入るのでしょうが慰謝料額はたったの30万円という残念な結果となっています。結局はラインのみの証拠では勝てる可能性はあるが慰謝料額は大した事ないので別に証拠はあったほうがいいということです。この判例の重要なとこは別にあり「これらのメールは、夫XのIDとパスワードを知っていればブラウザで閲覧できるものである」とし「原告が上記ID等を知っていることは想定できるものであり、現に原告はこれを閲覧しており、被告としては、これが原告に読まれる可能性がある状況下で、このようなメールを送付したものと認められる。」としています。読まれる可能性というとこが大事なようですね。
・その一方でこんな事例も
上では読まれる可能性について書きましたが、「私的なメールのやり取りは、たとえ配偶者であっても、発受信者以外の者の目に触れる事を通常想定しないものであり、配偶者との間で性的な内容を含む親密なメールのやり取りをしていたことそれ自体を理由とする相手方に対する損害賠償請求は、配偶者や相手方のプライバシーを暴くものである。」として、不法行為の成立が否定されたというものもあります。そもそもがこのような間接的な証拠は内容にもよるもので、「昨日は楽しかったよ。」は意味がなく「昨日のラブホテルよかったね。」のほうが証拠としては強いのです。更に浮気相手の写真や動画があれば尚いいのですが中々そこまで証拠がある方は少ないです。
・不正アクセス禁止法に該当!?
スマホの画面を見るだけであれば不正アクセス禁止法には該当しません。ただ、IDやパスワードを入力してログインするような場合は不正アクセス禁止法に該当し得ます。実際問題として夫婦間のスマホをロック解除したからといって刑事罰くらったという方は聞いたことありませんが可能性はありますのでスマホのロック解除をすることはオススメしません。
■探偵目線で考えるラインの証拠量
・ラインの情報量として
ラインでのやり取りでは実際に相手の名前が分からないというケースが多く見受けられます。本名で登録しているとは限らずニックネームのようなもので登録していることもあるからです。それでは相手がどこの誰だか分からないということで結局は浮気調査をすることになる事が多いのが現状です。確かに多少のリスクを背負って浮気しているであろう配偶者のスマホを見るのは簡単で浮気をしているかしていないかの判断基準にはなるかもしれません。ただ、証拠を残していない(削除している)可能性・証拠として認められないような内容である可能性も高く、証拠的なやりとりがあったとしても上で書いたように不法行為の成立を否定される可能性もあるのです。
・結局は相手の特定も必要
ものすごく運がよくて、スマホにロックもかかっておらず写真フォルダも見放題のような状態で不貞を推認できる証拠が集まったとします。それでも相手がどこの誰だか特定しなければ浮気相手に慰謝料請求をしようがありません。見たことある人物であれば同じ勤務先だと分かったりするかもしれませんが必ずそうだとは限りません。私の経験上、実際に完璧な証拠があるのだけど浮気相手が全く分からないので調査の依頼をされた方もいます。スマホのラインがキッカケで浮気調査を依頼されるかもたくさんいます。変にリスクを背負うくらいであれば、まずは探偵に相談する事をオススメします。
■まとめ
今日はラインについて相談が多かったので少しまとめてみました。ラインの盗み見をしようと考えている方は配偶者の浮気を疑い始めたという初期段階だと思います。もし、見つけたらどうしたらいいのか?見ただけでは証拠にならないので、見つけた後の対応をどうしたらいいのか?探偵に相談し証拠集めのことを聞いてみましょう。福岡探偵事務所は24時間いつでも相談無料で受付中です。