浮気調査の費用は浮気相手に請求できるのか?

 

決して安くない浮気調査の費用ですが、それらの費用を当事者(夫や妻、浮気相手)に請求できるのかというご質問をよく頂きます。結論から申し上げますと条件によって当事者に請求できます。どのような条件であれば相手に請求できるのかを説明します。

■浮気調査の費用を相手に請求できたかの判例

浮気により慰謝料請求が出来る根拠は、不法行為に基づく故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと民法で決まっているからなのです。つまり、浮気をされた側は「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害されたので、慰謝料請求が出来るという事になります。そして、その不法行為(浮気)に起因する損害かという事が調査費用の負担を相手に請求できるという事になります。

離婚裁判

 

 

費用請求が認められた判例

まず、負担を認めたケースを紹介します。

自らの判断により、多額の調査費用を支出した場合、そのすべてが直ちに不法行為に起因する損害となるというのは不合理と言うべきであって、通常必要とされる調査費用の限度で、不倫相手の不法行為と相当因果関係のある損害となると認めるのが相当である。

 

被害者が調査会社に支払った約16万円の調査費用について検討するに、この調査がなければ不倫相手による不貞行為を立証することは事実上不可能であったと認められるし、その額も相当であるから、相当因果関係(不倫相手の責任とすること)を認めるのが相当である

 

相当因果関係は認められるが、不貞行為の存在を証明するに当たっての寄与度や弁護士費用よりも高額であること考えて、10万円にとどめた

私が調べた中でも浮気調査の費用と認められた額は100万円程のようです。その程度の額の判例はよくありますので、100万円を基準に考えるのが一番いいでしょう。

 

 

費用請求が認めらなかった判例

次に、負担を認められなかったケースを紹介します。

不倫相手は、当初から不貞行為の事実を認めており、本件調査が本件訴訟の立証に寄与した程度は低いものといわざるを得ないことを考慮すれば、被害者が負担した調査費用約100万円は、不倫相手の不法行為と相当因果関係にある損害として認めることはできない

 

不貞行為は別の証拠(SNSの書き込み)で証明できていたので、不貞行為を証明する手段として探偵費用を支出する必要がなかったので、損害として認めない。

要するに調査をしなくても浮気を証明出来ていたという事ですね。

 

 

何が条件になるのか?

判例を読んで分かる事は以下の3つになります。

 

 

不貞行為が争いになっているのか

そもそもとして不貞行為を相手方が認めていたら探偵は必要がないので調査費用は認められていません。「確かに不貞行為はしたけど婚姻関係が破綻していた」との反論では調査費用が認められないということですね。逆に、浮気なんてしていないという話であれば探偵が必要になって調査費用も相手に請求できる可能性が高くなります。

 

 

探偵の寄与と金額の相当性

メールで肉体関係が推認できる場合と、全く証拠がなく不貞行為を探偵が立証した場合は探偵がどれだけ役に立ったかという寄与度が全く違いますよね。ほぼほぼ、メールで肉体関係が分かっていて念のために調査をしたということであれば探偵費用の数パーセントのみが認めらることになってしまいます。なので、浮気調査費用を相手に請求できると裁判所が認める場合でも10万円~100万円と幅が出るのです。

 

 

弁護士費用と探偵費用の比較

探偵費用と弁護士費用を比べた時に弁護士費用より著しく高額になっている場合は全額認められることはないようです。これも上記に書いていますが、額の基準は100万円なのかなと感じます。注意してほしいのは探偵事務所によっては100万円を遥かに超えて何百万円も支払っている人がいるという事です。弊所の浮気調査の相場は15~30万円程度です。(参考:浮気調査の費用相場と安くする方法【令和版】)これと比べてもらえば分かりますが、100万円以上の調査費用は高額すぎると感じます。不貞行為自体の有無に争いがあるのであれば弊所であれば全額認められる可能性は十分にあります。

 

 

■弁護士費用も請求できる

弁護士用の場合、裁判では1割程度の請求しか出来ないのが相場のようです。話し合いで弁護士費用を相手方が支払うと言えば別ですが・・・。賢い方は、自分でなるべく交渉をして和解書等を作成しサインをさせる方法をとっています。どうしてもあちらが応じない場合は裁判になりますので、その時は弁護士をつけたほうがいいでしょう。

 

 

■まとめ

探偵費用も弁護士費用も裁判に勝てば相手から全額取り返せると思っている人もいるようです。ですが、上記で説明した通り、弁護士費用は1割程度、探偵費用も弁護士費用に比べて著しく高額になっていないか、調査をしたことにより不貞を立証することが出来たか等が勘案されます。

 

悪質の探偵に引っかかると不当に高額な料金を支払ってしまい、裁判になり相手に請求をしても認められないということも出てきてしまいます。探偵費用に非がある事により損失が出てしまうのはあまりにももったいないです。弊所では地元に密着した形で探偵業を営んでいますので安価で調査をやっております。また、国家資格である行政書士も在籍していますので安心して皆様依頼されています。