今や日本人の多くが持ち歩いているiPhone。このiPhoneにはGPSを使った「iPhoneを探す」という機能が備わっており、iPhoneを失くしてしまった場合や、子どもの居場所を確認する場合などで役に立ちます。もちろん、条件さえクリアすれば、旦那(もしくは妻)や彼氏(もしくは彼女)の位置も把握することができます。パートナーの浮気を疑っている時に、この「iPhoneを探す」を活用することができるのではないか‥‥と考える人も多いようです。
しかし、パートナーにバレないことが前提の浮気調査で、「iPhoneを探す」を使うのはあまりおすすめできません。今回は、「iPhoneを探す」を使った浮気調査がなぜおすすめできないのか、その4つの理由を解説します。
目次
■「iPhone を探す」とは
iOS13以降より、「iPhoneを探す」は「探す」というアプリの中に統合されています(「探す」アプリ内の機能の1つとして「iPhoneを探す」が入りました)。「iPhoneを探す」の機能は、本来はiPhoneを紛失した際に場所を特定したり、探し出したりするためのものです。例えば、自分の iPhone をなくしてしまった際に、別のデバイス( PCや iPad など)から紛失した iPhone と連携していたiCloud へログインすることで、「iPhoneを探す」機能をオンにしているiPhone の位置情報を GPS を使って知ることができます。さらに、 iPhone に遠隔でロックをかけたり、データを削除したり、音を鳴らしたりすることもできます。
■「iPhoneを探す」が浮気調査にお勧めできない理由
すでに述べたように、「iPhoneを探す」をパートナーの浮気調査を行うために活用するのは良い方法ではありません。理由は以下です。
・パートナーのApple IDとパスワードが必要
・「iPhoneを探す」を利用すると相手に通知が入る
・パートナーのiPhoneの運用状況で精度が左右される
・決定的な証拠にはならない
それぞれ詳しく解説していきます。
パートナーのApple IDとパスワードが必要
最大の難関が、パートナーの Apple ID とパスワードを知っている必要があるということです。既に述べたように、「iPhoneを探す」を利用するためには、パートナーが利用している iCloud にログインする必要があります。その際に求められるのが、 Apple ID とパスワードです。これらの情報を事前にパートナーから自然と引き出しておくか、隠れてメモしておかなければならないのです。
さらに厄介なのは、うまくこれらの情報を手に入れて iCloud にログインした際には、「2ファクター認証」の壁が待っています。「2ファクター認証」とは、 Apple が独自に採用しているセキュリティシステムで、ログイン履歴のない(もしくは一定期間ログインをしていない)PCやiPadなどのデバイスが、Apple ID とパスワードを突破してログインしようとするときに作動するものです。ログインしようとしている人物が本当に本人かどうかを確認するために、 iPhone の画面に表示された6ケタの数字の入力を求められます。
浮気調査の場合、この「2ファクター認証」で相手に気づかれてしまうことがあります。せっかく Apple ID とパスワードを突破したとしても、パートナー iPhone に「2ファクター認証」のための数字が現れてしまうため、勘のいいパートナーなら「誰かが自分の iCloud へログインを試みている!」と気づきます。
これを防ぐためには、「iPhoneを探す」を使って浮気調査を行う事前に、すでに「2ファクター認証」までを突破しておくことです。「2ファクター認証は」 ログイン履歴が数日のうちにある場合には求められません。
「iPhoneを探す」を利用すると相手に通知が入る
Apple IDや パスワード、「2ファクター認証」の壁を突破したとしても、誰かが自分の iCloud へログインをすると、メールによる通知が iPhone へ入ります。つまり、 「iPhone を探す」を使うためにパートナーの iCloud へログインが無事に成功したとしても、相手にメールで通知が入り、パートナーには違和感を与えてしまいます。
パートナーのiPhoneの運用状況で精度が左右される
「iPhoneを探す」の機能は iPhone の運用状況によって正しく動作するかが左右されてしまいます。パートナーの iPhoneに電源が入っていない状況や、インターネットに接続していない場合は正しく位置情報を取得することができません。また、電源が入っていてインターネットに接続していたとしても、ビル内部や地下では位置を正しくできないこともあります。
決定的な証拠にはならない
「iPhoneを探す」がうまく使えたとしても、パートナーの位置情報しか情報を得ることができません。「誰といたのか」「何をしていたのか」は不明のままであり、この点においてパートナーに嘘をつかれてしまえばそれまでとなります。パートナーの位置情報だけでは浮気の決定的な証拠としては不十分です。
つまり、「iPhoneを探す」を使った浮気調査はハードルが高いわりに証拠としての価値が低いため、お勧めできません。
■「iPhoneを探す」を浮気調査に使ったことはあるか?
弊所がこの機能を使い浮気調査をしましょうという提案はしたことはありません。しかし、相談者がこの機能を使い配偶者の動きを見ているというケースはたびたびあります。メール通知でバレないのか?という不安がありましたが、話を聞くとかなりネットに疎いらしくバレないと自信満々でお答えしていましたし、結果的にはバレていなかったようです。
実際に運用した結果
iphoneを探すでのGPSの調査と、探偵が使用するGPSでの調査の違いは探偵が直接GPSを追跡できるかどうかの違いです。私のスマホなどでiphoneを探すにログインしたら不正アクセスなど色々違法な行為になってしまいますし、それ以前に2ファクター認証で相手にバレバレになってしまうので出来ません。結果的に、依頼者の方の判断により調査を進めていくことになります。ないよりあったほうがいいに決まっていますが、「2ファクター認証」の部分をバレずに突破できるのか?メール通知がきても疑問に持たれないのか?という限られた状況のみに通用するものになります。なので、あまり実用性があるとは言えません。実際に調査をしてみるとあってもなくてもあまり変わらなかったなという事が多いです。
どのようなケースがあったか
一つ例を挙げますと、車を利用しないで公共交通で全て移動するタイプの旦那様の浮気調査でした。その対象者はネットに疎くスマホも全く触らないようなタイプです。そんな対象者だからこそiphoneを探すを仕込むことに成功し探偵に相談する前にずっと行動を見ていたようです。しかし、一定の場所に行っているのは判明しましたが、それ以上の情報が分からず、どうしようもないので探偵に依頼したいということでした。その一定の場所を見ると住宅街で何棟ものマンションが立ち並ぶ場所でした。そうなってしまうと、その周辺のマンションのどれかだろうという予測はつきますが、特定のマンションだということまで確定は出来ません。結果的に対象者の勤務先から尾行をし、そのマンションを特定しました。このような事が非常に多くiphoneを探すが実用的ではないと感じます。
証拠より知りたい気持ち
探偵目線で言うと浮気調査で得たい証拠は「不貞を推認できる」ものになります。ただ、依頼者目線で言うと「いつも何をしているか」という知りたい欲求になっているのは珍しくありません。だからこそ自分でiphoneを探すという方法をとれば何か知れると思い行動をとってしまうのでしょう。まずは、探偵や弁護士に相談することをオススメ致します。
■iPhoneを探すのまとめ
「iPhoneを探す」という機能を使っての浮気調査は、パートナーにバレるリスクが高いにも関わらず、望むような成果へと繋がる可能性が低いです。また、このような機器はアップデートによって仕様も変わりますので、いつどのようになるかという不安定感もあります。よって、パートナーの浮気を疑う場合は、まず探偵などの専門家に相談する方がベターであるといえるでしょう。