結論を先に言うと探偵に資格は必要ありません。逆に言えば誰でも探偵になれるということになりますので能力が担保されている訳ではありません。なので、調査力の差も出ますし、どのような証拠が必要なのか探偵自身が理解できていない事もあります。ここでは、探偵が持っていることを求められる資格や持っていた方がいいと言われる資格などを解説していきたいと思います。
目次
■探偵に求められている資格とは
冒頭でも書いた通り探偵に資格は必須ではありません。貴方が何も資格を持っていなくても公安委員会に届出を出せば探偵になれるのです。唯一あげるとしたら欠格要件に当てはまっていない事だけが求められ、その要件は以下の通りになります。
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
4.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
5.心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
6.営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が1から5又は7のいずれかに該当するもの
7.法人でその役員のうちに1から5までのいずれかに該当する者があるもの
以上になります。ほとんどの人が当てはまらないでしょうし、これらの要件を満たしたからといって能力が担保されているという事ではないということが分かると思います。
運転免許は必須
資格とは性質が違いますが運転免許は必須になります。相手が車なのに運転できませんでは話になりません。更に言えば中型二輪以上の免許も持っておくといいでしょう。私も持っていますが自宅特定や勤務先特定等をするときの尾行が楽になります。車で尾行するよりもバイクのほうが失尾(尾行時に見失う事)しなくなります。
士業の国家資格
弊所もそうですが探偵事務所によって士業を在籍させているところもあります。いわゆる弁護士や行政書士などといった法律系の士業が代表だということです。このような士業が在籍していると、アフターフォローといったサービスが充実させることも出来ます。また、何度もいうように探偵には資格が不要なために法律知識が不足している探偵事務所も多く見受けられます。例えば、不倫という行為はモラル的にいけないという事は誰でも分かりますが、法律的に何がいけないかまで理解出来ていないという事です。それが理解できていないという事は何の証拠が必要なのか分かっていないので無駄な調査時間が増え結果的に高額になり更には意味のない報告書を貰うハメになるのです。探偵を探す際には弁護士事務所と提携しているというよりは、探偵事務所自体に弁護士や行政書士が在籍しているかチェックするのも探偵選びに失敗しないポイントになります。
探偵には民間の資格がある
一応、探偵には民間業者が行っている資格試験があるようです。探偵調査士という資格になるようですが探偵になるには資格は不要です。長年探偵やっている私ですら初めて聞いたので、資格の有無で判断するのであれば弁護士や行政書士などの国家資格者がいるかどうかで判断したほうがいいでしょう。
■探偵と行政書士という組み合わせ
探偵と行政書士の組み合わせは非常に相性がいいと言われています。また、代表者自身が行政書士の資格を持っているという探偵事務所は滅多にありません。探偵と行政書士があるからこそできることとは何なのか説明したいと思います。
・行政書士ってなに?
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とすることが出来ると法律に定められています。要するに書類を作成し依頼者様に提供する事ができる資格で浮気調査後にも色々と対応ができるものと考えてください。探偵の証拠集めと同じで、書類一つあるかないかで大きな違いが生まれてきます。例えば、浮気をした配偶者と離婚をする場合に、離婚協議書や公正証書を作ってないばっかりに話し合いで決めた事を「そんなこと知らない」と言われる可能性が出てきてしまうということです。書類を作成し証拠を残しておくとトラブルを予防するという効果がうまれますので必ず作るようにおすすめします。
・浮気調査後の対応
探偵に浮気調査を依頼した場合、探偵事務所として浮気の証拠を集めていく事になります。無事に証拠が集まれば報告書と映像を作成し依頼者様に報告する流れになります。ここから、依頼者様が離婚をするのかしないのか、慰謝料を請求するのかしないのかという事を決めなければなりません。それを決めたら行政書士の出番となります。浮気相手に慰謝料請求をするのであれば内容証明を作成し送付することができ、浮気をした配偶者と離婚するのであれば離婚協議書の作成や公正証書案文の作成などを行います。探偵から行政書士への依頼が弊所のみで完結するのでスムーズかつ手間がかかりません。
・低価格で一括サービス
上で書いたとおり一括して調査から調査後の法務サービスまで行えることにより低価格での依頼ができます。本来であれば、調査終了後は行政書士事務又は弁護士事務所に行き書類の作成や内容証明の送付の依頼をしなくてはいけません。弊所でも案件ごとに弁護士事務所を紹介したり行政書士事務所を紹介したりしておりました。しかし、行政書士有資格者が弊所に在籍していることになったので一括で依頼を受けることができ低価格でサービスを提供する事が可能になりました。また、個別案件により弁護士が必要になる時は弊所から弁護士を紹介させて頂く事はできます。
■行政書士は国家資格
行政書士は法律系の国家資格の一つとなります。
・探偵事務所は国家資格がないと営業できない?
探偵事務所を営業する際に必要なのは「届出」です。届出とは一定の書類(住民票や届出書)を警察に提出さえすれば誰もが探偵の看板を掲げる事ができます。ですので、探偵としての能力が担保されているわけではありません。探偵事務所によっては「アルバイト探偵」がいたり、調査をほとんど下請けに流し調査能力が低下している事務所もあるようです。このように「本物の探偵」として活動している探偵事務所が少ないような印象があります。探偵という職業は資格制ではなく届出制ということをキッチリ理解しておいたほうがいいです。
・行政書士は能力が担保されている
行政書士は国家資格なのである程度能力が担保されています。また、探偵事務所によっては行政書士を雇っていたり、代表が行政書士の有資格者であったりするところもあります。弊所も探偵が有資格者になるのですが、探偵として活動しているとどうしても調査後のアフターフォローがしにくいという場面に遭遇します。それは資格を持っていないから書類作成もできないし、適切なアドバイスもすることもできません。その点、資格を持っている探偵事務所に依頼すれば、上で書いたとおりスムーズに手間いらずに進めていくことができます。
・探偵事務所選びのポイント
探偵を選ぶ際に何を基準にする人が多いかというと「大手っぽい」「料金面」「口コミ」の三点が多いのではないでしょうか?特に料金面を気にする方が一番多いのですが探偵料金は事務所によって全然違うので比較検討し、調査方法まで具体的に聞いておくことをオススメします。分かりやすい基準を提案するのであれば、やはり意味ある資格を持っているかを見るといいと思います。上でも書いたとおり探偵は能力が担保されているわけではなく届出を出せば探偵になることができます。探偵という職に真剣であればおのずと行政書士という資格があればアフターフォローもできると気付けるはずなのです。しっかり調査に取り組んでくれるのか?調査が終わったら具体的にどのような事を提案してくれるのか?を見極めるポイントに資格の有無を取り入れてみるのも探偵事務所選びに役立つポイントだと思います。
■まとめ
今回は探偵に資格は必要なのかという事で書いてみました。探偵は届出制なので資格は不要です。私個人的にはアメリカのような資格制にするのも有りなんじゃないかとは思いますが、現状は誰でもなれてしまいます。それゆえに依頼者からすると能力が担保されないので探偵事務所によっては大きな実力差が出てしまうのです。探偵に資格は不要ですが士業などの国家資格者を在籍させている探偵事務所を探してみるといいでしょう。